12月13日、厚生労働省の「第6回介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」において、「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方について中間まとめ」が取りまとめられました。現在全国有料老人ホーム協会と特定協にて取り組んでいる「介護職員によるたんの吸引等の試行事業」以降の制度改正の方針が明らかにされています。
概要については、以下のとおりです。
1.介護職員等によるたんの吸引等の実施の範囲
- たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)。ただし、口腔内・鼻腔内については、咽頭の手前までを限度とするとされています。
- 経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)。ただし、胃ろう・腸ろうの状態確認、経鼻経管栄養のチューブ挿入状態の確認は、看護職員が行うこととされています。
2.たんの吸引等を実施できる介護職員等の範囲
- 介護福祉士については、業務として行うことができるよう介護福祉士の養成カリキュラムにたんの吸引等の内容を追加すること、また既に介護福祉士の資格を取得している人については、一定の追加研修を修了することで実施できることとされています。
- 介護福祉士以外の介護職員については、一定の研修を修了した場合には、その研修の内容に応じて一定の条件下に、たんの吸引等の行為を行うことができることとされています。
3.たんの吸引等に関する教育・研修を行う機関
- 教育・研修する機関を特定するとともに、教育・研修の内容や指導を行う者等に関する基準を設定し、その遵守について指導監督を行う仕組みを設けることとされています。
- 教育・研修の具体的内容(時間数・カリキュラム等)は、現在行っている「試行事業」の結果を踏まえてさらに検討することとされています。
4.たんの吸引等の実施ができる施設の条件
- 一定のニーズはあるが、看護職員だけでは十分なケアができない施設、在宅等として、医師・看護職員と介護職員らの適切な連携・協働が確保されていることが条件とされています。
- 実施可能な介護関係施設は、特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホーム、有料老人ホーム、通所介護、短期入所生活介護などが示されています。
- なお、「第6回介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」において、介護職員等にたんの吸引等を行わせることができるためには、都道府県が申請に基づき一定の基準を満たした施設や事業所の登録を行い、その事業所を指導・監督する方針が明らかにされました。
5.制度の実施時期
- 平成24年度の実施を目指すことされました。
- ただし、介護福祉士養成課程の体制整備や新たなカリキュラムでの養成期間等を踏まえた実施時期とすることとされています。
- また、現在、一定の条件下でたんの吸引などを実施している者に対して、必要な経過措置を設けることとなりました。
詳しくは、以下をご覧ください。