2012年の介護報酬改定に向けて、社会保障審議会介護給付費分科会での議論が進められています。
■大まかなスケジュールは、以下のとおりです。
【2011(平成23)年】
4月〜夏頃 フリートーキング+事業者団体等ヒアリング
秋頃から12月 居宅サービス・施設サービス等について議論(各論)
12月中旬 報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・取りまとめ
平成24年度政府予算編成
【2012(平成24)年】
1月 介護報酬改定案 諮問・答申
4月 平成24年4月改定施行
■特定施設入居者生活介護に関する論点としては、次の事項が考えられます。
(1) 介護処遇改善交付金の取扱い<他サービス共通>
(2) 介護予防給付の適正化
(3) 地域区分単価の見直し<他サービス共通>
(4) 特定施設入居者の医療ニーズへの対応
(5) 特定施設入居者生活介護の短期利用
■4月からこれまでの議論は、以下のとおりです。
○4月13日(第72回) 総論
資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001927p.html
○4月27日(第73回) 総論、地域区分について
資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001anru.html
この日の介護給付費分科会の議論では、介護報酬改定も東日本大震災の影響を受けることが確認されています。被災地における自助・互助に触れ、「あるべき社会保障、地域包括ケアのあり方として、共助(介護保険)や公助(公費支援)よりも、自助・互助が優先すべき」、「莫大な復興予算が必要な中で、介護保険だけわがままをいうわけにはいかない」、「3月11日後に、3月11日前のような悠長な意見は慎むべき」といった厳しい意見が相次ぎました。
また、人件費比率を含めて地域区分単価の見直しが論点に挙げられています。
○5月13日(第74回)
・介護人材の確保と処遇の改善策について
・定期巡回・随時対応サービス及び複合サービスについて
資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001c1kj.html
○5月30日(第75回)
・医療と介護の連携について
・介護保険施設について
●全国個室ユニット型施設推進協議会、有老協、特定協意見陳述
資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001dzdp.html
厚生労働省から、特定施設に関して次の論点が提示されています。
・特定施設入居者の医療ニーズへの対応
・特定施設入居者生活介護の短期利用
また、この日の会議では、特定協として意見陳述を行っています。詳しくは、活動報告:http://tokuteikyo.jp/r_activity/h23/h23_0530.htmlをご覧ください。
○6月16日(第76回)
・高齢者の住まいについて
●高齢者専用賃貸住宅協会意見陳述(株式会社メッセージ橋本会長)
住まいとケアの分離、包括報酬の弊害、集合住宅への訪問介護の単価が引き下げられてもやむを得ないの見解(単価が下がったほうがかえって区分支給限度額まで組み合わせやすい)などの意見を述べられています。
・認知症への対応について
●グループホーム協会、小規模多機能意見陳述
資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ft9d.html
○7月29日(第77回)
・リハビリ、軽度者への対応について
・福祉用具について
●リハビリ関係団体、福祉用具団体意見陳述
資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001kpu0.html
軽度者に関する論点でしたが、介護予防給付の適正化(切り下げ)に関する積極的な提案・論点出しは、ありませんでした。訪問系の生活支援、通所系の預かり機能に関して、もっとリハビリ・介護予防機能強化を進めるべきという資料を透かして読むと、特定施設の予防給付(要支援1・2)においても余計な生活支援をせずに、リハビリ・介護予防特化しなければいけない、ということになります。
また、今後、介護給付費分科会とは別に、厚生労働省老健局長の下に「介護報酬に関する関係団体懇談会」という会合が設けられます。特定協も参加することとなっておりますので、十分に皆様のご意見を伝えてまいります。
今後も、特定協として、早期に情報収集をし、皆様に情報提供をするとともに、特定施設事業者の現状・意見を伝え、納得感のある報酬改定が実現できるよう努めてまいります。