財団法人介護労働安定センターにおいて、「平成23年度介護労働実態調査結果」が公表されました。
1年間の離職率(平成22年10月1日から平成23年9月30日)は、全体では16.1%(平成22年度17.8%)でしたが、特定施設入居者生活介護は24.9%(平成22年度25.1%)と高くなっています。
同じ調査から、特定施設は特養などと比較して(1)事業開始年数が短い、(2)都市部に多い、(3)給料が安い、(4)民間企業が多いということが判ります。こうした傾向が影響しているかもしれませんが、特定施設のサービスの向上、事業の安定のためにも、定着率の向上が望まれます。
【参考】
(1)事業開始後の経過年数(平均)は、特定施設入居者生活介護6.9年、介護老人福祉施設13.2年、介護老人保健施設12.5年。
(2)地域区分ごとの分布は、特別区、特甲地、甲地、乙地、その他の順で、特定施設入居者生活介護は、8.9%、18.6%、7.8%、20.1%、39.8%。介護老人福祉施設は、3.7%、10.3%、3.5%、14.5%、65.5%。介護老人保健施設は、0.4%、7.6%、3.4%、11.1%、75.6%。
(3)所定内賃金は、特定施設入居者生活介護208,522円、介護老人福祉施設229,067円、介護老人保健施設226,824円。
※離職率:1年間の離職者数÷平成22年9月30日時点の在籍者数×100
もう少し長い期間でみますと、以下のとおり、特定施設の離職率は下がっていますが、平成23年度は足踏みした感があります。
財団法人介護労働安定センター介護労働実態調査
平成19年9月末 40.3%
平成20年9月末 32.5%
平成21年9月末 29.1%
平成22年特定施設経営概況・処遇状況等調査
平成22年6月末 26 4%
財団法人介護労働安定センター介護労働実態調査
平成22年9月末 25.1%
平成23年9月末 24.9%
特定協では、平成21年度から人材確保プロジェクトを設けて、定着率の向上に向けた事業を実施しております。昨年度に引き続き、今年度も11月、12月に、キャリアパス事例研究会を予定していますので、ぜひご参加ください。
また、介護労働安定センターは、特定施設の高い離職率を踏まえて、平成24年度介護労働実態調査において特別調査「特定施設入居者生活介護実態調査」を実施されます。調査票の発送時期等の詳細が分かり次第、別途ご協力を依頼いたします。