公益財団法人介護労働安定センターより「平成28年度介護労働実態調査結果」が公表されました。
本調査は介護職員の離職率や賃金、雇用管理の取り組みなどを調査したものです。
1年間の離職率(平成27年10月1日~平成28年9月30日)は、全体では17.2%(平成27年度16.5%)と悪化しましたが、介護付きホーム(特定施設入居者生活介護)は、20.5%(平成27年度24.7%)と4.2ポイントと大きく改善されました。
※離職率:1年間の離職者数÷平成27年9月30日時点の在籍者数×100
もう少し長い期間でみますと、以下のとおり介護付きホームの離職率は前年度より改善され、過去最低の離職率となりました。
介護労働安定センター 介護労働実態調査
平成19年度 40.3%
平成20年度 32.5%
平成21年度 29.1%
平成22年度 25.1%
平成23年度 24.9%
平成24年度 25.2%
平成25年度 22.8%
平成26年度 23.0%
平成27年度 24.7%
平成28年度 20.5%
各事業者の人材育成、人材定着への取り組みの結果が、離職率の低下(定着率の向上)に結び付いたと思います。今後も介護付きホームのサービスの向上、事業の安定のためにも定着率の向上に引き続き取り組んでいきましょう。
参考に、同調査項目の「早期離職防止や定着促進にもっとも効果があった方策」で介護付きホームで割合の高かった項目は、
*本人の希望に応じた勤務体制にする等の労働条件の改善に取り組んでいる(17.0%)
*残業を少なくする。有給休暇を取りやすくする等の労働条件の改善に取り組んでいる(12.1%)
*賃金水準を向上させる(9.5%)
*能力や仕事ぶりを評価し、賃金などの処遇に反映している(8.9%)
でした。
介護付きホームは離職率が10%以下が24.7%、30%以上が26.8%と両極化にあります。上記のような定着に向けた取り組みが実を結んでいる施設が多いことと思います。これを機会に事業者の皆さんも従業者の意見を聴いて定着率向上に取り組みましょう。努力は報われます。
詳しくは、以下をご覧ください。