2019年9月13日に開催された、第81回社会保障審議会介護保険部会において、「介護サービス基盤整備」の議論が行われました。
その中で、厚生労働省から「介護付きホームが都市部の介護ニーズを受け止めている」という現状、「(それを)どのように考えるか」という論点が示されました。
当日の資料は、厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06659.html)からご覧いただけます。
参考資料2「介護サービス基盤整備」もご参照ください。
以下のとおり、委員からは、介護付きホームの果たしている機能を評価する一方、さらに実態を明らかにしてほしい、医療ニーズ対応強化を求める意見がありました。
資料2「介護サービス基盤整備」 スライド2「介護サービス基盤整備(施設サービスと高齢者住まい)」
現状 (抜粋) ○ 特定施設入居者生活介護は、都市部での整備がそれ以外の地域と比較して進んでいることから、都市部の介護ニーズを受け止めており、また、現状、 ・ 約半数弱が要介護3以上であり、重度者の受け皿としての役割を一定果たしている ・ 契約終了のうち半数以上が死亡退去となっており、終の棲家としての機能も果たしている ・ 利用者の自己負担についても幅があり、 必ずしも高所得者向けとは言えない ものであることが確認できる。 論点 ○ 今後、介護サービス基盤整備についてサービスごとにはどのように進めていくべきか 。 また、介護離職をなくすために政府として推進している介護離職ゼロサービスとの関係をどのように考えるか 。 ○ 特に、都市部での介護ニーズが増えていく中で、都市部での需要を受け止めているサービス(特定施設など)をどのように考えるか。 |
介護保険部会当日の委員の発言要旨(介護付きホーム部分)
○岡委員(日本商工会議所社会保障専門委員会委員) 介護施設の整備に当たっては、さらに民間の力を活用していただきたい。民間活力により、処遇改善も図られる。 ○河本委員(健康保険組合連合会常務理事) 特定施設の重度者対応・終の棲家の機能を踏まえ、施設サービスと一体的に考え、介護保険事業計画においても、俯瞰的に整備すべき。 ○石本委員(公益社団法人日本介護福祉士会会長) 特定施設は、認知症ケア・重度者受け入れ・看取りを行い、十分、介護離職ゼロへの役割を果たしている。 ○齋藤委員(公益社団法人日本看護協会副会長) 特定施設のサービスは、重度化・看取りもやっているが、詳細な実態が出てくることを期待したい。代替なサービスになり得るかどうかは、日々のサービスも示してほしい。 ○江澤委員(公益社団法人日本医師会常任理事) 特定施設には、重度の受け入れ、看取りが進んでいる。課題は、医療ニーズの対応の強化。看護職員の配置が薄い。毎日置くのは難しい仕組み。介護保険の訪問看護は入れない。今後、特定施設の医療ニーズの対応強化を進めるべき。 |
介護保険制度の見直し案は、年末に向けて議論され、取りまとめられます。随時、情報提供してまいります。
(介護報酬改定については、2020年に入ってから介護給付費分科会で議論されます。)