昨年9月に実施した「第1回東京都研究会(施設見学)」に
ご協力いただいた会員様からのご意見、
ご要望に基づき企画されました。
去る2月8日(火)、新宿NSビル 10階 「会議室 I 」(東京都新宿区)において「第2回東京都研究会」が行われました。当日は21施設より26名の方が参加されていました。今回は、特段テーマを設定せずに、日頃の施設業務の中での体験を通じ、皆様がお持ちの疑問、悩み、また施設運営の手法などを自由に持ち寄っていただき、ディスカッションの中で情報共有や東京地域の問題点解決の糸口としていただく場として、さらには今後の近隣事業者同士の交流作りの場として、ご活用いただきました。
約2時間のディスカッション後に、各グループの代表の方お一人に、ディスカッションされた内容について発表していただき、参加された方々同士の情報の共有化をしていただきました。各グループでのディスカッション内容(発表内容)と、参加者からの声(アンケート)について、一部をご紹介いたします。
発表内容
グループ A
<話題に上がったテーマ>
1) 医療分野:医療行為の対応(上限)、緊急時の対応
2) ケアプランの作成
<具体的に話し合われた内容>
1) 医療行為の対応(上限)
- ご入居時にIVH等医療ニーズの高い方はお断りしている。(入居後は可能)
- ご家族と施設、往診医等医療機関と何回も話し合い、対応を決めて、同意書を作成する。
- マニュアルの作成。
- 現場を想定した実施訓練を行っている。
2) ケアプランの作成
- 担当ケアスタッフが作成し、ご家族に同意を得ている。
- ケアマネが作成したプランに対し、本人、ご家族の意見も含めて見直す。
- 現場がサービス計画書を作る方がわかりやすいのでないか。
発表風景。情報交換、
情報共有の場として
ご活用いただきました。
各グループの進行役を、
参加者の中から
お願いをしました。
グループ B
<話題に上がったテーマ>
1) OJTについて(新人教育)
2) 営業について
3) 各社の業務形態について
4) 生活相談員の在り方
5) 事務と現場とのコミュニケーション
6) 入居状況
<具体的に話し合われた内容>
1) 各社の業務形態について
- 社員比率:パート・正職員の比率、日中・夜勤帯の人員について。
- 各業務をセクションで分けると有効。(掃除、洗濯専門のスタッフ配置。全ての業務を行うと、ご入居者のお世話まで手が回らなくなる。)
グループ C
<話題に上がったテーマ>
1) スタッフのメンタル面でのフォローアップ
2) 入居者の喫煙の対応
3) 施設における看護と介護の関係
<具体的に話し合われた内容>
1) スタッフのメンタル面でのフォローアップ
- 離職原因…体制、年齢的な体力、人間関係、職種
- 対応…面談(個人)、相手の話を聞く・知る・受け入れる
- 対策…研修旅行、皆勤手当て
2) 入居者の喫煙の対応
- 喫煙場所を決める。
- ライター、タバコの管理をスタッフが行う。
3) 施設における看護と介護の関係
看護と介護の垣根を下ろすには… 対応:日頃から看護、介護は必ずリンクするものである為、看護職員の採用条件に、ヘルパー業務を義務付ける。
他グループで話し合われた
内容も参考になります。
「他事業者の方との交流は、
刺激になる」との声も。
グループ D
<話題に上がったテーマ>
1) スタッフの質の向上
2) 身体拘束
3) レクリエーションの内容
<具体的に話し合われた内容>
1) スタッフの質の向上
- 教育担当がプログラムを作っている。(会社の理念、倫理)
- 採用基準は常識のある人材とする。優秀である必要はない。
- 1~2年では育たない。年に2回、人事考課、年に1回、能力評価実施。
- ヘルパーが家族との窓口になり、ケアプランも説明する。
- 月に1回勉強会をやるが、なかなか時間がとれない。
- やりがいを、どうやって感じさせることが出来るかが重要。
2) 身体拘束
- ご家族からの要望が多い。
- テレビカメラの設置(本人、ご家族の了承)→ スタッフの働きぶりも良くなる。
- 車椅子の座面の工夫、素材を工夫している。(タオル使用、ベッドではなくマット)
- ご家族とのトラブルを防ぐ為、日頃のコミュニケーションが大事である。
- 見守り専任を1名配置している。(2時間交代)
- 立ち上がり時の転倒を避けるため、立ち上がる必要のない環境の整備が必要。
グループ E
<話題に上がったテーマ>
1) 健康管理と医療行為の区別
2) 職員の意識
<具体的に話し合われた内容>
- これまで全てお客様の要望に対し、答える姿勢でいた。介護保険は“自立支援”とうたわれているにもかかわらず、すべて行ってしまっている(過剰なサービス提供)介護現場において、今後は、「要望」であるのか、「ニーズ」であるのかを明確にし、それをお客様に説明する義務がある。
- ご入居者に対し、権利意識についてご説明する。
- 介護保険という公費が使われている事より、介護保険上の認識をとらえて、それをご家族にご説明する。
得られた情報を施設に
持ち帰り、ぜひ、
業務に生かしてください。
次回もぜひご参加ください。
お待ちしております。
グループ F
<話題に上がったテーマ>
1) 食事の提供方法
2) 職員の体制(パート、常勤比率等)
3) 料金体系、給与体系
4) 介護職の力量、モチベーションについて 等
<具体的に話し合われた内容>
- 良きサービスを提供するには、介護職・看護職のマナー、力量、モチベーションを上げていく、愛社精神を持って働いていく必要があると思うが、難しく、永遠のテーマである。
- パート、契約社員の比率が低く、常勤比率が高い方が、良きサービスを提供出来ると思われるとの意見もあるが、採算の問題もあり難しい。
- スタッフの力量が低下していることについては、あきらめず、誉めて育て、コミュニケーションをとりながら、モチベーションを上げていく。また、研修の活用も大切。
今後も、会員皆様からお寄せいただいたご意見をもとに、本活動を活性化させて参りますので、引続きお力添えをお願いいたます。また企画立案、運営にご興味のある方は、お気軽に事務局までご連絡ください。お待ちしております。
今回の「第2回 東京都研究会」の開催にあたり、多大なるご尽力をいただきました「東京幹事」の皆様には、この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。ご協力いただきありがとうございました。