平成21年9月15日、東京会員活動を、日本教育会館(千代田区)で、開催しました。60名の会員にお集まりいただき、無事開催できましたことを、この場をおかりして御礼申し上げます。 第1部は「法令遵守責任者講習」(講師:特定協事務局長 長田 洋)を実施し、第2部は、テーマ別に、会員同士の意見交換会を行いました。
第1部の「法令遵守責任者講習」では、今年5月に施行された改正介護保険法で新しく義務付けられた『業務管理体制の整備』により、各事業者に選任することになった法令遵守責任者に向けた講習を行いました。新しい制度に戸惑っておられる事業者も多く、また、あまり行政からの情報も少ない制度であるため、この講習が制度の理解を深めていただける機会になった事業所も多かったようです。しかし、時間が短く具体的な話に踏み込めなかったこともあり、ご不明な点が残ったままの事業者もおられたようです。ご疑問・ご質問については、特定協事務局でメール・FAX等により随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
第2部の情報交換会では、「人材確保・人材育成について」「服薬管理・医療機関との連携について」「入居率アップについて」の3つのテーマが話し合われました。新しい取り組みの参考になることや、「どこも同じことで悩んでいる」と共感できるような内容、または運営方法が違うことで内情がずいぶん異なることに驚くような内容など、様々な意見交換がされました。また、先進的な取り組みをされている事業者の方からは、貴重な情報提供をしていただきました。今後もこれらの情報交換により、特定施設全体の発展につながればと考えております。
その中で話し合われた内容の一部を、以下のとおりご紹介いたします。
人材確保・人材育成について
- ◆ モチベーションのアップについての取り組み
- ・職員を表彰し評価する制度を設けている
- ・社内で事例発表会を行っている
- ・資格の取得を契機に、パートから正社員への登用する制度を設けている
- ◆ 離職率について
- ・施設長の変更に伴う施設の方針変更が大量退職の要因となった
- ◆ 採用について
- ・専門学校等にも求人を出しているが反応は芳しくない。実習先は特養が主なので、それが要因かもしれない。
- ・無資格者でも、熱意があって、会社で補助を出したりして働きながら資格を取る人のほうが、「資格を持っているだけ」という人よりはよい(人重視)。
- ・採用は、ほとんどの施設で筆記試験は行わず、面接のみで採用している。
服薬管理・医療機関との連携について
- ◆ 看護体制について
- ・24hナースから、日中のみまで様々。
- ・夜勤専門のナースを活用している、週4日は夜勤ナースを置いているというホームも。
- ◆ 医療行為について
- ・吸引、胃ろうの処置が課題。介護職員ができるようになることを望む。
- ・胃ろうについては、半固形化することにより、時間も短くなるし、たんが少なくなるというメリットもある。
- ・鼻腔栄養は断る。抜けてしまった場合に対応できない。
- ◆ 服薬管理について
- ・神奈川県庁から、「服薬管理」は看護職員、「服薬支援」は介護職員の仕事という指導を受けた。
- ・薬剤は、健康管理室の鍵のかかるところに保管し、介護ステーションには置かないこととしている。
- ・とん服薬以外がホームにあるのはおかしいという指導を受けて、市販薬の常備に切り替えたが、医師は責任を持たず、また看護職員が不安がるので、あまり活用されない。
- ・普段飲んでおられる薬をご家族に確認して飲んでいただくが無難。
- ◆ 協力医療機関との連携について
- ・特定施設入居時等医学総合管理料を算定できるところと提携している。
- ・ホームのナースが研修を受けられるところと提携している。
- ・ホームが協力医に協力名目の費用を支払っているところは、特定施設入居時等医学総合管理料を払っていない傾向がある模様。
- ◆ 特定施設入居時等医学総合管理料について
- ・入居時に協力医から説明している。ホームは介在しない。
- ・入居中に算定を開始することはなかなか難しい。開設時から算定していない場合には、急に医療費の自己負担が大きくなるので、途中からは難しい。入居者向けの懇話会で、医師から説明してもらうこともある。
- ◆ 薬局の居宅療養管理指導料の算定について
- ・算定している施設と算定していない施設で、だいたい半々の状態
- ・算定している社では、薬局の薬剤師が配薬ケースへのセットまで行っている。
(ただし、さらにホームの職員が誤薬がないかダブルチェックをしている。)
入居率アップについて
- ◆ 見学・問い合わせ後のアプローチ
- ・見学者の管理をしている部門があり、3ヶ月に1回会報を送付。
- ・脈のありそうな方に納涼祭等ホームのイベントの案内をする。
- ◆ 営業の方法について
- ・病院、居宅ケアマネ、地域包括での情報収集が重要。お酒をいっしょに飲めるような関係づくりも。イケメンの営業マンを採用している施設もあるらしい。
- ・リーガルサポートへの営業も行っている。
- ・一軒一軒に手作りチラシを配布する。スタッフ全員でポスティングを行う。
- ・営業職だけでなく、介護職員を同伴して営業することで、具体的な相談に乗れる。
- ・楽しそうに生活されている入居者様の様子を見ていただくことが一番。
- ・資料請求があれば、直接届けにいく。
- ◆ サービス方法の工夫
- ・ライフスタイルの住み分けが必要。 1Fテナント、2F医療、3Fホームなど。
- ・安心感を売りにする(看取り・24時間看護など)。
- ◆ 自立型ホームと介護型ホームの営業状況
- ・(自立型)広告宣伝して見学していただいても、即入居ではない場合が多く、つなぎとめておくのが難しい。入居までに6年間かかったことも。
- ・(自立型)自立で入居されてもすぐに介護居室にうつらなければならない方が多く、自立の居室が空いてしまい、埋まりづらい
- ・(介護型)介護の必要な方は、見学後入居されるまでの期間が短いので、見学者が多いことは入居率アップにつながりやすい。