本年11月4日よりサービス付き高齢者住宅における契約に関する研究会を開催しています。
有料老人ホームおよびサービス付きの高齢者専用賃貸住宅(以下「サービス付き高齢者住宅」と総称します。)に対するニーズの増大に伴い、サービス付き高齢者住宅の供給が拡大しています。しかしながら、有料老人ホーム特有の契約形態であるいわゆる「利用権」にも、高齢者専用賃貸住宅の借家権および付随するサービス契約の組合せにも、法律上および実態上、消費者保護の観点から課題が残されています。
特定施設事業者連絡協議会(特定協)は、社団法人全国有料老人ホーム協会と合同で、「サービス付き高齢者住宅における契約に関する研究会」を開催することといたしました。本研究会では、他国の事例を参考にしながらサービス付き高齢者住宅における契約に関する法律論を整理するとともに、サービス付き高齢者住宅の適切な契約方式の研究を行います。
第1回は本年11月4日に開催し、各委員の問題意識を明らかにした上で、矢田委員(白鴎大学法学部講師)より賃貸借契約と利用権契約の比較とドイツの高齢者住宅にまつわる議論を紹介していただきました。
第2回研究会の様子
第2回は12月2日に開催し、全国有料老人ホーム協会の有料老人ホーム標準入居契約書、一般財団法人高齢者専用賃貸住宅協会の「標準建物賃貸借契約書」および国土交通省が作成した「終身建物賃貸借標準契約書」を比較した後、太矢委員(東洋大学法学部准教授)よりフランスのビアジェの議論等を参考にした有料老人ホームの入居一時金契約の法的性質について解説していただきました。
今後、中間的な論点整理を行うとともに、消費者団体などの意見もお伺いしながら、有料老人ホームの入居一時金およびその初期償却を始めとするサービス付き高齢者住宅の契約・広告のあり方を探ってまいりたいと考えております。