平成22年1月19日(火)、関東ブロック地域活動「ケアマネジメント情報交換会」を大宮ソニックシティ(さいたま市)で開催しました。70名のご参加をいただき、無事開催できましたことを、この場をおかりして御礼申し上げます。第1部は2つの事業者のケアプラン作成の方法の発表、第2部はグループに分かれての情報交換会を行いました。
第1部では株式会社メッセージ・教育研修部の大森薫様と株式会社ライフコミューン・ケアマネジャー主任の長内京子様にそれぞれの事業所で行っているケース記録管理やケアプランの立て方などについてお話いただきました。両事業者とも独自の工夫や考え方、スタッフとの連携など、興味深いお話をお聞かせ下さいました。ただ時間がそれぞれ20分程度と短く、ご質問をお受けする時間もなかったため、物足りなく感じられた方が多かったようです。今後、時間の配分については改善していく所存です。
第2部は5、6名のグループに分かれての情報交換会を行いました。どの事業者も事業所内にケアマネは1名のみというところがほとんどで、日頃の業務の中での苦労や悩み等、共感し合える場となりました。情報交換会で話し合われた主な内容を以下に上げましたので、ご参考になさって下さい。
今後についてのご意見としまして、またこのような会をやって欲しいとのご希望を多くの方からいただきました。みなさんのご希望にそえるような地域活動を企画していきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願い致します。
ご入居者ご本人への対応
- ・ご自分で物事の判断ができない状態の時の対応はどうしているか。
- ・認知症でも、ご本人は自立していらっしゃるつもりなので、援助を希望されず対応に困っている。
- ・自立の方が要介護になった時、介護認定を受けていただくように納得いただくのが難しい。
- ・軽い認知症の場合、ご本人が傷つかないように表現を工夫している。
ターミナルの受入れについて
区分変更申請について
- ・区分変更申請をしないと必要なサービス提供ができないが、家族への説明が大変。
介護保険以外の自治体独自の福祉サービスについて
- ・オムツの支給や美容院の利用券など
ご入居者のご家族について
- ・ご本人と意見が違っている場合の対応について。
- ・ご家族間での意見の相違がある。
- ・対応の難しいことを要求するご家族がある。
- ・なかなか来訪して下さらない。
- ・ケアプランについて要望のない方が多い。
ケース記録管理のソフト使用について
- ・民間のソフトについて
- ・「楽すけ」
- ・「ほのぼの」
- ・「ちょうじゅ」
ケース記録管理のソフトでは対応できない部分、手書きの利点等について
介護スタッフとの関係について
- ・ケアプランの周知徹底の難しさ。
- ・ケアプランどおりの介護がされない。
- ・担当スタッフがケアプランの原案をたてているため、ケアプランの理解にも役立ち、興味も持てる様子である。
- ・スタッフが非協力的で、古い考えに固執している。
- ・業務が忙しくて、ケアプラン通りにできないと言うスタッフがいる。
ケアマネの業務について
- ・一人なのでたいへん。
- ・他の業務も兼ねており、時間的余裕がない
- ・現場の立ち入りを禁止されている。⇔立ち入り自由で、積極的にご入居者と交流している。
- ・事務におわれてしまう。
ケアプランの内容等について
- ・特養などと違い、特定施設のケアプランは生活歴が詳しく書かれていない。
- ・形式・様式はMDS21、包括的自立支援プログラム、ケアマネ君
- ・ケアプラン以外のサービスの要望が増えて対応に困っている。
介護体制について
- ・一人で3~4人のご入居者を担当(担当をつけないと責任の所在があやふやになる)
- ・ヘルパー3人でひと組になり、12、3人を担当
その他
- ・ご入居者のためのケアプランであるはずが、ご家族や介護スタッフのことも考慮しなければならない。
- ・介護サービスは、施設長の考え方や方針に左右される部分が大きい。
- ・介護保険制度が始まる前からの自立型施設で、ケアプランがなくてもサービス提供していたため、プランが後付けになってしまうことが多い。