この研修は、今年度全国9か所(全10回)で開催を予定している特定施設専門研修の7回目にあたります。研修会場には、28法人(会員20法人、一般8法人)、57名(会員45名、一般12名)の方が集まりました。
研修会の様子
第一部では、NPO法人「認知症の人とみんなのサポートセンター」の代表である沖田裕子先生が、「認知症ケア~本人を中心にケアを考える~」をテーマに研修を行いました。
沖田先生からは、「認知症ケアは、その人らしさを理解し、スタッフで統一したケアを行うことが重要である」と講義されました。また、「薬でなくても、ケアでだいぶ症状は改善する」とケアの重要性とスタッフの役割の大きさも伝えられました。
沖田先生
そして、講義の後半では、本人を中心にしたケアの検討の仕方を、グループワーク形式で実践しました。事例を基に、まずは「本人の行動の意味や気持ちを考える」、次に、「その原因・背景を考える」そして、「ケアの方向性を検討する」という段階を踏んで行うワークです。どのグループも受講者各々が想像力を働かせ、活発に意見交換をしていました。受講者からは、「講義後にワークで実践することで、より理解を深めることができた」「他の受講者と意見を交わすことで、考えの幅が広がった」との声が寄せられました。
吉松先生
第二部では、特定協の理事でもある吉松泰子先生が「特定施設における看取り介護について」をテーマに研修を行いました。「病院とは違う、老人ホームでの死を理解してほしい」と、吉松流の「看取り」ではない「見取り」(施設での死)について、熱い講義が繰り広げられました。受講生は、ご自身の考えを明確にかつ熱い思いをこめて語る吉松先生の講義を真剣に聞き入っていました。講義後のアンケートでは、「テキストやマニュアルでは学ぶことができない見取りについて理解できた」「見取りの不安が少し解消された」「明日からは気持ちを新たに入居者様と関わっていこうと思う」との声が寄せられ、講義後の考えや気持ちの変化が伺えました。
2013年は、福岡、大阪、仙台、札幌、新潟、東京、そして名古屋と7回の研修を実施してきました。年明け後も3会場での研修が控えています。残りの研修も皆さまにとってより良い研修となるよう取り組んでまいりますので、ご支援・ご協力をお願いします。