ホーム 活動報告 平成26年度特定施設専門研修(札幌会場)を7月24日に北農健保会館で開催しました。

2014年7月24日

平成26年度特定施設専門研修(札幌会場)を7月24日に北農健保会館で開催しました。

研修会の様子

 

看取り介護 講師:吉松泰子理事

 

認知症ケア 講師:沖田裕子様

 平成26年度特定施設専門研修(札幌会場)を7月24日に北農健保会館で開催しました。今回の研修には、17法人(会員10法人、一般7法人)、37名(会員26名、一般11名)の方に参加いただきました。

 第1部では、株式会社誠心代表取締役社長の吉松特定協理事が、「看取り介護~特定施設における看取りの基本~」をテーマに研修を行いました。

 吉松理事は、老人ホームでの看取りの前提として、ご家族に“死”について明確に伝えることの重要性を力説し、“死”をうやむやにしたまま関わることこそ、施設側の責任が問われることになると指摘しました。また老人ホームは“人間の心を回復し、誇りをもって生きてもらう場所”であり、介護職の仕事は、“人間として生きて死ぬところを担う”すばらしい仕事であると説明しました。

 

 また、日本福祉大学社会福祉総合研修センター講師の須田敏枝先生から、特定施設において看取りを実現するまでのプロセスや、具体的な看取りの事例、職員教育の実践報告も行われました。職種別に編成されたグループでは、看取りを実践するために、施設での意思統一をどのように進めるべきか・・・などについての意見交換が行われました。

 

 第2部では、特定非営利活動法人「認知症の人とみんなのサポートセンター」代表の沖田裕子先生が、「認知症ケア~コミュニケーションケアを中心に~」をテーマに研修を行いました。沖田先生は「認知症の人とコミュニケーションをとるためには、その人らしさや、生活のどこに障害があるのかを理解し、御本人の声に耳を傾けて、行動の意味を考え、理解し、本人のできることや自分でできたという気持ちを大事にしながら、適切にフォローすることが重要」だと説明しました。「認知症の人自身、やりたいことやこれまではできていたことが、うまくできなくなって困っている、困った状態をどうしたらよいのかわからなくなっているのではないか。この状態がBPSDを引き起こしているのではないか。」「モノをとられた、無くしたというトラブルも、頼りたい人に“それでも私のことを面倒みてもらえますか?”と問うているという受け止め方もできるのではないか。」と認知症の人の気持ちを代弁するかのように指摘しました。

 

 グループワークでは、「帰りたい」と訴えるビデオをもとに、本人の言葉をきちんと聞けているかどうか、本人の言葉をもとに、本人の本当の気持ちを考えるワークを行いました。

 受講生の中には、道内から片道5時間かけて研修に参加されたという方もおいでになり「とても勉強になりました」と満足いただきました。