平成28年11月17日に「第4回介護付きホーム(特定施設)事例研究発表全国大会in大阪」をメルパルク大阪イベントホール(大阪市淀川区)において開催致しました。厚生労働省、大阪府をはじめ17の団体に後援を頂き、当日は460名以上の方々に会場へ足を運んでいただきました。
今回の募集は「看取りケア」「虐待・介護事故防止の取組み」「認知症ケア」の3つのテーマで部門ごとに募集を開始し、総数53件の事例の応募を頂きました。
今回の事例研究発表全国大会in大阪は11時に開始、部門ごとの3部で構成し開催いたしました。午前中に第1部の「看取りケア部門」、午後に「虐待・介護事故防止の取組み部門」、最後に「認知症ケア部門」を発表。最後は18時を過ぎるまで聴講者の皆様には参加いただきました。今回、初めての試みとして聴講者に各事例研究発表と質疑、講評をお聞きいただき、各部門の最後にその部門での優秀と思われる事例研究発表を聴講者自身に投票いただき、優秀賞を選出することを実施いたしました。発表者と聴講者、会場全体が一体となった事例研究発表となりました。
まず、最初に全国特定施設事業者協議会(特定協)の国政 貴美子代表理事から開会の挨拶をいただきました。挨拶では「介護付きホームの仲間の皆さんが日々、どのような事に悩み克服しているのかを知るだけでも学びになりますし、私たちそれぞれが一人ではないのだと感じることもでき明日へ向かう勇気にもなると思います。現在、介護保険の中で良いサービスに加算が付いています。様々なサービスが加算の対象になり介護の質に影響していると思いますが、様々な方を対象にした様々なサービスが、良い介護にぴったり当てはまるというわけではないです。おそらく、今日、語られるものこそが良いサービスそのものだと思います。そして、皆様が良いサービスを作ろうと日々活動されていることそのものがサービスの質を担保していくのだと感じます。今日語られる事案から何かを感じホームに持ち帰っていただければと思います」とのお話しをいただきました。
国政代表理事の挨拶の後、事例研究発表へと移らせていただきました。1部の「看取りケア部門」で4つの事例を発表、終了後、昼休憩をはさみ、第2部が始まる前に記念講演として厚生労働省老健局高齢者支援課、佐藤 守孝氏に「地域包括ケアシステムの構築に向けて」というご講演で、普段直接聞く事の出来ない厚生労働省の方から介護保険部会における議論や検討事項、一億総活躍社会の実現へ向けた取り組みなどお聞きすることができました。
続いて、第2部の「虐待・介護事故防止の取組み部門」が開始、4つの事例研究発表後、優秀賞を投票。第3部の「認知症ケア部門」も同様に実施。3部終了後、投票を集計し各部門の優秀賞を選出。この間、招待事例として高齢者住宅経営者連絡協議会が開催する「リビング・オブ・ザ・イヤー2015」で大賞を受賞した社会福祉法人櫟会、特別養護老人ホーム くぬぎ苑の事例を三木 康史氏に大賞事例の「最後まで『その人らしい暮らし』を支える特養の挑戦」を発表頂きました。
一通り発表が終了後、各部門の優秀賞が選出されました。「看取りケア部門」の優秀賞は「ゼロからの看取り体制構築~最期の時間を穏やかに過ごしていただくために~」を発表頂いた株式会社LIXILシニアライフカンパニー「フェリオ百道」様が受賞しました。マニュアルの整備や独自の社内看取り研修等で7年前は27%だった看取り希望者が約3倍に増加した取り組みを紹介いただきました。
株式会社LIXILシニアライフカンパニー「フェリオ百道」
「虐待・介護事故防止の取組み部門」の優秀賞は「虐待疑いの事案から振り返って気づいた事」を発表頂いた株式会社チャーム・ケア・コーポレーション「チャーム守口おおくぼ」様が受賞しました。発表では虐待の可能性が疑われる事故に対し、原因について徹底した調査を行い検証し、職員の問題意識を含め再発防止の検討を行った事例を紹介いただきました。
株式会社チャーム・ケア・コーポレーション「チャーム守口おおくぼ」
「認知症ケア部門」の優秀賞は「輝いていた日々を取り戻すまで~プロフェッショナルな生き様に寄り添って~」を発表頂いた株式会社ツクイ「ツクイ・サンシャイン岡谷」様が受賞しました。認知症のご入居者へその方の言動から農業技術指導員の取締役をされていたことを推測し、その方の当時に近い環境を再現し、引きこもりがちだった生活を改善した事例を紹介いただきました。
株式会社ツクイ「ツクイ・サンシャイン岡谷」
優秀賞受賞者には国政代表理事から表彰状とトロフィー、副賞が授与されました。最後に特定協の下村 隆彦理事に閉会の辞をいただき終了いたしました。終了後、発表者と特定協理事、講評者全員で記念撮影を行いました。