ホーム 活動報告 平成28年度介護付きホーム(特定施設)看護師研修「介護付きホームの看護師の役割」(広島会場)を12月13日に開催しました

2016年12月13日

平成28年度介護付きホーム(特定施設)看護師研修「介護付きホームの看護師の役割」(広島会場)を12月13日に開催しました

 平成28年12月13日に広島市RCC文化センターで介護付きホームに従事する看護師を対象に「介護付きホームの看護師の役割」をテーマに研修会を開催し、参加者27法人38名の方にご参加いただきました。

 施設ではいろいろな専門職がいますが、看護師は医療に関わることについての判断力、決断力が問われ、それゆえに精神的な負担や責任の重さ、病院、医師との連携等多くの悩みを抱えているのではないでしょうか。また、最近では看取りに取り組む介護付きホームが増えてきている現状で、ますます「介護付きホームの看護師の役割」が重要となってきています。
 今回の研修では、ご自身も看護師である伊東美緒氏(東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム研究員)に講義ならびにグループディスカッションをお願いいたしました。伊東氏は施設看護師の気持ちを理解した上で、介護付きホームでの看護師に必要な「介護施設で働く看護師の力と多職種連携のコツ」についてご教示いただきました。
「看護師は病院での経験があるため、高齢者の生活イメージをすることが苦手」「どうしても医療目線で見てしまう」「他職種との価値観の違い」というウィークポイントがある一方、「看護師ほど人の死を経験する人はいない」「責任感の強さ」「リーダーシップがとれる」という強みをもった専門職であることを「これまで出会ったちょっと困ったナースたち」「これまで出会った素敵なナースたち」というご自身の経験事例をあげ、施設看護師の意識すべきポイントについてご説明いただきました。 
 後半のグループディスカッションでは「終末期に向けたケア」と「夏の脱水予防にどのように取り組むか」の2つのテーマで行い、どのグループも活発な意見交換をされていました。
 今回の研修会のアンケート結果では、研修受講前と受講後の仕事に対する意欲の変化について聞いてみたところ9割以上の方がより、「今後一層取り組みたいと思った」、「前向きに取り組みたい」と思ったという回答でした。また、看護師業務で日頃悩んでいることについて聞いてみると、最も多かったのは『多職種連携』でした。次いで職場の人間関係や給与面、医師の不在や看取りへの不安等があげられていました。
 施設によって規模や体制、方針もさまざまだと思います。施設看護師は医療の専門職であるがゆえに生活の場である介護付きホームでの役割に悩みが多いと思いますが、入居者を中心とする視点で多職種が意見を言い合い、歩み寄ることの大切さをあらためて感じていただけた研修会になったと思います。