3月19日(水)横浜市福祉保健研修交流センター(上大岡)ウイリング横浜9Fにて、平成19年度神奈川ブロック会員活動を開催し、10法人(19施設)、20名の施設長をはじめ管理職の方々に参加いただきました。横浜市研究会(平成15年5月~)から始まった、神奈川ブロック会員活動も今回で7回目となりました。
今回は、厚生労働省老健局振興課石川事務官から「特定施設を取りまく状況と介護保険制度見直しの方向性について」、心理カウンセラーの沼田泰子氏(元特定協事務局長)から「癒しのある施設に向けて」の2題の講演会を実施し、その後グループ毎に情報交換会(グループ検討会)を60分行いました。
冒頭、当協議会の稲口理事((株)寿恵会代表取締役社長)により、会員活動の主旨、参加されている皆さんが誘って仲間を増やして欲しい旨、そして「本日ここで得た情報や知識を明日から現場で活かしていってください」と挨拶がありました。
石川事務官のご講演は、「介護事業運営の適正化」の動きの背景から経過、「事業者の本部への立入検査権の創設」など「介護保険法及び老人福祉法の一部を改正する法律案」の概要、営利法人の運営する介護サービス事業者に対する指導監査と自己点検シートの提出について、また介護労働力問題では離職率が、事業者により30%以上と10%未満の2極化している現状などについてお話があり、「事業者規制が強化される印象かもしれませんが、今まで通り法令遵守を徹底していただければ過度な締めつけになるものではないので、引き続きケアの質の向上、職員のスキルアップ、入居者の充実に頑張っていただきたい。」と締めくくられました。
心理カウンセラーの沼田泰子氏のご講演は、「介護管理者向けメンタルヘルスマネージメント」のセミナーでもあり、『メンタルヘルスについては個人の問題ではなく、いまや企業の運営、生産性にまで及ぶ問題である。介護サービス事業において提供するサービスの介護は、心そのものであり、その心を持っているのは、皆さんスタッフの1人1人である』、『心は使えば使うほど磨り減ってしまう。心をすり減らさない工夫と自分という商品の価値を高めていく事が大切である』といった事から始まり、お客様との関わり方や、施設の中での出来事とメンタルヘルスとの関係まで、時には参加者に質問を投げかけながら、やさしく解りやすく話してくださいました。特定施設事業者での勤務経験を有し特定施設の実情をご存知の沼田氏でなければできないセミナーであり、参加された皆様の満足度も高いものとなりました。
最後に5つのグループに分かれ、フリーの情報交換会を60分、その後各グループ3分程度でお話合いの内容を発表して頂きましたが、どのグループでも人材確保についての問題が主なテーマになっているようでした。
グループ | 話題に上がったテーマ | 具体的に話合われた内容 |
A | * 職員の確保 * 入居者の確保 |
* 職員がスキルアップや女性職員の妊娠等での退職者に対して幅を効かせた対応が必要ではないか。 * エリアでの採用活動でも潜在的な資源(人材)がないため、地方採用を行っている。 * メンタル面で弱い職員が増えているため研修を充実させ、待遇面のビジョンを見直す。 |
B | * 重度な医療行為が必要な方の入居相談 * お元気な方からの要望・クレーム |
* 医療依存度の高い高齢者の受け入れ先が見つからないなか、対応実績がある特定施設に入居が集中している。 * エリアでの採用活動でも潜在的な資源(人材)がないため、地方採用を行っている。 |
C | * 職員の定着(ストレスマネジメントを踏まえ) | * 職員の二極化(永年勤続者と短期退職者)。 * コミュニケーション不足。 * 若い職員が定着しない(処遇、業務の厳しさ、入居者から受けるストレス、上司の正当でない評価等)。 |
D | * スタッフの定着率の悪さ | * 介護職の人気が下がっている。賃金が安い。 * 人間相手であり、教科書通りにいかない。 * ヘルパー講習が短期間であり、身についていない。 * 「ありがとう」と言われたり、「笑顔」を見せて頂いたり、職員が報われる瞬間をたくさん経験して欲しい。 |
E | * 医療行為、看取り * 介護労働者の定着促進、確保 |
* 介護職でも出来る行為もあるのではないか。重要なのは関係者(本人、ご家族、医師、施設)の情報交換と意識あわせ。
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参加者は少ない会員活動でしたが、ゆったりとした和やかな雰囲気の中で、とても有意義な時間を過ごせたのではないかと思います。なお、今回の開催にあたりお手伝いを戴いた皆様に、この場をお借りして厚くお礼を申し上げます。そして来年度もどうぞよろしくお願いいたします。
[ 原 (株)菱栄ライフサービス ]